荒れ果てた野を 一人の少女が往く 正確には一人と一匹 少女の右手には赤い紐 その先に結ばれたる首輪もまた赤く 黒銀の毛並みを持つ犬は 小さく吠えた 飼い主たる少女『澪音』に語りかけるかのように- 豪奢な廃墟に転がり 冷たい雨に怯える 輝ける名誉も権力も 今ではもう過去の所有物 観測とは事実の側面を抉り取る刃物 その男は果たして...何を得...何を失ったのか- 奪いし物は奪われ 斯して世界は廻る 降り止まない雨の向こうに 何色の空をみる 代償を背負うほど 加熱する駆け引きは 全て失くすまで気付か
Elysion 〜楽園への前奏曲〜
2024-11-10 07:31